2010年12月19日

『プレシャス』

人生は、困難に満ちている。
人生は、困難の連続だ。
そう感じる時が、たまにある。

困難に陥った時、人がよくやることは、
「ありもしない理想状態」
を、空想することだという。

ナルホド、その通りだよな。

まだ高校生のプレシャス映画『プレシャス』では、主人公のプレシャスが、DVや意地悪をされるたび、派手な仕返しをする空想に陥る姿が描かれている。
これは、今言ったように当然の反応だろう。ところが、そうした反実仮想は強い後悔を生む。それが原因となって、病的な自己嫌悪に陥ることもあると言う。こちら

ただし、同じその後悔が、未来指向の自助努力に結びつけば、
「良い経験」
に変わるんだそうだ。

話題の邦画『酔いがさめたらうちに帰ろう』は、後者の例に入るだろう。
ただ、あらたまって
「自助努力」
という、硬い感じではなく、もっと自然な感じのようだが・・・・。

 

さて・・・

続きを読む
posted by インク at 21:11 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月26日

『イン・トゥ・ザ・ワイルド』

マジックバスと主人公クリスこの映画については、レビューが面白い。こちら
まったく、評価が分かれるのだ。

実話に基づく映画のようで、本人が残した日記をもとに、原作『荒野へ』が書かれている。
その原作をもとに、主人公の心と行動の軌跡を、俳優ショーン・ペンが監督となって、美しい映像に仕立てたものだ。

主人公のクリスは幼い頃に、自分と妹のカリーンが、父の不倫から生まれたことを知り、大きな衝撃を受ける。
世間から許され、神にも祝福された母親とその子供は、別にいるのだ。自分たちは、そうではない。日陰者だ。

母ビリーしかし、自分たちの母は、その罪を隠すために、ここがまるで
「神に祝福された裕福な家庭」
であるかのように振る舞っている。
その虚構を、クリスは幼くして見抜き、両親の身勝手さに哀しくなる。

父ウォルト父親もそうだ。
自分が欲望に負けて、不倫の子を作ってしまったくせに、その罪を償うどころか、世間から非難されることを恐れ、母とぐるになって、
「神に祝福された裕福な家庭」
を演じているのだ。

「社会的成功」
「エリートとしての道」
は、彼らが
「自分たちの罪を隠す、最高の隠れ蓑」
なのだ。そのために、彼らは子供である自分たち(クリスとカリーン)を、利用しているだけなのだ。

両親は、陰では烈しくいがみ合う。クリスは、それも知っている。
だが、彼らはあくまでも、子供の前では
「理想の夫婦」
「理想の家庭」
を演じる。そして、
「社会的成功こそ、人生のすべて」
であると説教し、
「お前達を愛している証拠だ」
とばかりに、車や服や家を買い与え、子供の歓心を買おうとし、あるいは価値観を無理矢理押しつけてくる。
その恩着せがましさ、白々しさ、卑劣さが、クリスには堪らない。

妹カリーン嘘つきめ!あいつらに、ぼくらへの愛情などあるもんか!全部、自分たちの罪を隠すための方便じゃないか!
だいいち、ほんとうの幸せって、そんな物質的なものじゃないだろ?

ぼくとカリーンは、恥ずかしい存在なんだ。神に、非難されてしまう存在なんだよ。あんたたち、その事実とどう向き合うつもりだ?

クリスは、そんないたたまれない気持ちになっていたんだと思う。

クリスが、優等生を演じていた理由は、あえてそうすることで、両親を試すためだったのだろう。
まともな人間なら、その無茶ブリに気づくだろうと。

「あなたらしく、自然にしていれば良いのよ」
「私たち夫婦の出会いは、真実だった。恥じることなど、ひとつもない」
両親が、勇気をもってそう言ってくれることを、クリスは心から願っていたに違いない。
だが、それは叶えられない話であった。

そこでクリスは、こう考えたのだろう。



 

続きを読む
posted by インク at 13:33 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月24日

路上のソリスト

あらすじはこちらから。

統合失調症というのは、昔は「分裂症」と言った精神病名。ウィキにも書いてあるが、古代ギリシャ時代から、よく知られた精神異常なのに、原因は何も分かっていない。

これに対し、精神医学者はやたら症状を集めては、細かく分類して、名前をつけているだけ。
だが、そんなことをして、何になるんだろう?せいぜい、学会に発表して、ちょっといい気になれるだけだろうに。
別冊宝島具体例として、右の雑誌が面白かった。医療刑務所における、精神科医たちの激越な出世争いと、その犠牲になる患者(囚人)達について、患者自身がレポートしている。

「あなたは、家族否認妄想と、関係妄想と、注察妄想と、追跡妄想に駆られている、思考内容に障害のある、陽性型統合失調症です」
と言われたって、治せないなら何の意味がある?
学会だったら、
「え、それは凄い!二重拘束の兆候はないんですか?」
なんて、訊かれるかもしれないけどね。

映画に出てくる、LAMPコミュニティの所長が言うとおりなのだ。精神科医も、精神科医を信用する奴も必要ない。
天才音楽家ホームレス、ナサニエル・エアーズの症状は、精神病棟では治癒しない。
それに、治癒の試みに関して、本人の同意が到底取れそうにない状況では、何とか精神を落ち着かせながら、自立して生きられる道を探してやることが、いちばんなのだ。

だが主人公ロスは、要らぬお節介を焼き続ける。
そこには、フロイトやらラカンやらには詳しくても、現実の庶民の暮らしや、実際の精神病にはまるで無知な、
「進歩的文化人」
の典型的な姿がある。


 

続きを読む
posted by インク at 18:35 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月15日

韓国ドラマや映画は見ない

TVのスイッチをひねる。

妙に安っぽい、東洋人の二枚目や、美女が登場する。
あるいは、仰々しい衣裳を身に纏った、変に安っぽい、東洋人の英雄が登場する。
あるいは映画でも、やたら深刻めかした黒ずくめの東洋人の男たちが、安っぽく拳銃を振り回す。

(あ、韓国ものだ)
ほぼ自動的に、ぼくはチャンネルを変えるか、TVを消す。

何かなぁ・・・美男も美女も、その顔はみんな綺麗なことは綺麗だが、
(どこかで見たことあるよなぁ・・・)
という、
「バッタもん的綺麗さ」
だ。
しかも、整いすぎているせいか、あるいは本物を思い出してしまうせいか、バッタもんの方は、数秒後には忘れてしまう。実に、印象が薄い(笑)。
その上ご丁寧にも、仕草や表情は笑い出すくらい大げさだったり、まんまハリウッドの真似だったりするわけだから、これはもう「バッタもん」どころか、
「墓穴を掘ったもん」
だ。

 

続きを読む
posted by インク at 22:31 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月06日

レクター博士とアンクル・エディの違い

前回は、なんか尻切れトンボになってしまった。

その後、トイレで雲古しながら考えた。

レクター博士の殺人は、
「殺し方」
が芸術的なんだ。
それに較べると、アンクル・エディの殺人は、シンプルな
「死体を使ったアート」
だ。

続きを読む
posted by インク at 21:10 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月03日

セブン・ビギンズ

セブン・ビギンズ原題は『Anamorph

Anamorphは、Anamorphose(アナモルフォーズ)の省略。日本語では「歪像画」なんぞと訳されている。トリック・アートの技法のひとつだ。

これが分かっていると、最初から筋書きが見えてしまうと書いたブロガーがいたが、なるほどその通りだろう。こちら

このサイトは、映画も詳細に解説してくれているので、解説はそっちにまかせ、ぼくは印象に残った、犯人の「作品」について、書くことにしたい。

続きを読む
posted by インク at 00:15 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月23日

幸福な食卓

幸福な食卓幸福な食卓』という映画を観た。

この映画には原作があって、瀬尾まいこという人の長編小説なんだとか。

北乃きいという子も、初めて見たと思ったら、『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』にも出ていたとかで、
(ああ、あの子か)
と思った。
映画の中身は忘れたが、この子だけがなぜか記憶に残っていたのだ。

きれいと言えばきれいだが、やけに不細工に見える時がある。
もの凄く若々しいのだが、急に30代くらいの顔をする。
気がつくと、我を忘れて見とれている。
そんな、不思議な子だったからだ。

続きを読む
posted by インク at 09:08 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月19日

ソルジャー・ストーリー

軍隊内部で起きた刑事事件を、調査する映画。
『戦火の勇気』や『ア・ヒュウ・グッドメン』を思い出させる(もっとずっと地味だけど)。

1984年制作だから、26年も前の映画だ。ゼンデル・ワシントンがうら若い。他にも、よく悪役をやる黒人俳優が、チョイ役で顔を出していた気がする。彼も、まだ若くて細かった。

続きを読む
posted by インク at 12:36 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月18日

ツォツィ

Soweto始めに、
(ここはどこだ?)
と思った。

延々と続く貧民窟。海のように、彼方にまで広がるバラック。まるで地獄のようだ。

こんなスラム、アメリカ映画でも見たことがなかった。
こちらにも詳細な写真がある。

ここは、南アフリカ共和国の都市、ヨハネスブルグにある、ソウェトと呼ばれる地区。
地名の由来は、"South Western Townships"(南西居住地区の短縮形)だそうだ。しかし人々は、
"So Where To"(どこにする?)
と呼ぶ。

ここは、イギリス、フランス、オランダ、ドイツからの白人移民たちが行った、アパルトヘイトの象徴であり、彼らによって隔離されてしまった、アフリカ系住民のゲットーなのだ。

これは寒いだが、家の形をしているだけ、まだマシだ。
家のない子供は、土管に住んで雨風を凌いでいる。

この映画の主人公ツォツィも、かつてはこの土管に住んでいた。向かって左端の上の土管だ。続きを読む

posted by インク at 00:37 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月05日

アリスのレストラン

『イージーライダー』がらみで、今回は『アリスのレストラン』について書く。

このふたつの映画は、ほぼ同時期に制作、発表されている(1969年=昭和44年)。
この時期、アメリカはベトナム戦争の泥沼にはまりこみ、苦しんでいた。

その8年前、第35代アメリカ大統領になったジョン・F・ケネディは、ソ連との宥和と軍縮、人種差別撤廃などを訴え、外交より内政に力を入れようとしていた。それは、当時のリベラルな風潮にもピッタリ合っていた。
ケネディは、父親の莫大な資産があるので、誰に媚びを売ることもなく、思う存分理想主義を語ることができたし、実際に実行もできた。例えば、キューバのバティスタ政権の、ヘロイン輸出基地を叩き、マフィアが支配する組合を潰し、公民権運動の父キング牧師を支援した。
その初々しさ、率直さ、そして大胆さが、ケネディの何よりの魅力だった。

ところが、翌年そのケネディに「キューバ危機」が襲いかかる。世界は、全面核戦争の一歩手前まで行った。
だが、実はこのキューバ危機。9.11同様、CIAの間違った情報によって起きたらしいのだ。CIAが、保守主義で民族主義者だったカストロを、共産主義者と報告し、それを信じた前任者アイゼンハワーが、カストロを侮辱。さらに、ケネディもカストロ暗殺を企てたために、怒ったカストロがソ連陣営に走ったと言われている。こちら

ケネディは激怒し、CIAを解体しようとしたが失敗。さらに、いったんは内政干渉と言われるほど、深く関わったインドシナ戦争からも手を引こうとした。それが、彼の暗殺(1963)に繋がったと見る人も多い。

その証拠というのも何だが、ケネディ暗殺翌年の1964年、ジョンソン大統領とマクナマラ国防長官は、「トンキン湾事件」を自作自演。それを口実に、インドシナ戦争への全面介入を宣言。ついにベトナム戦争が開始された。
だが、アメリカが支援した当時の南ベトナムは、とても腐敗した国であったし、戦争の大義名分も、冷戦に勝つということしかなかった。
それに、ジョンソン大統領は、ケネディ暗殺の首謀者と疑われ、しかも、戦況は敗戦に継ぐ敗戦で地獄のよう。反戦・厭戦気分は、国際社会にまで広まり、戦場の米軍兵士は麻薬中毒、帰国後も人殺しと批判される始末であった。

モハメド・アリ1967年。当時の世界ヘビー級王者モハメド・アリが、ベトナム戦争での兵役を拒否。王座を剥奪され、そのニュースは世界中を駆けめぐった。

その2年後の69年、この映画が作られた年、新大統領となったニクソンは、ベトナムからの「部分撤退」を開始したが、依然として戦闘は続いており、アメリカの内政、外交は混乱を極めていた。

続きを読む
posted by インク at 00:21 | TrackBack(1) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月26日

イージーライダー

超がつくくらい有名な映画だ。

ぼくも、今回で二度目になる。
だが、あらためて見てみたら、印象が変わった。これは、巷間言われているような、
「自由の国アメリカの真の姿を求めた若者が、大多数を占める保守的で石頭な農民に、嫉妬されて殺される」
映画ではない気がした。


 

続きを読む
posted by インク at 13:46 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月11日

アンリ・デュナン物語(国際赤十字誕生)

これは感動した。

赤十字の意味が、
「血で書かれた十字架」
だったとは・・・・!

日本赤十字

これが実は・・・→

アンリ・デュナン


続きを読む
posted by インク at 22:04 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月29日

ライト・スタッフ

良い映画だった。

原題は『The Right Stuff』
ライトスタッフは、「適切な資質」のこと。それに定冠詞のザがついて、「素質あるメンバー」の意味になる。

どんな仕事にも、それに向いた資質がある。くだけた言い方をすれば、
「得手、不得手」
あるいは、
「適材適所」
ということにもなろうか。

続きを読む
posted by インク at 00:06 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月10日

終わりで始まりの4日間

アマゾンに飛びますてっきりホラー・アクションだと思い、録画しておいたもの。

チュートリアルの徳井そっくりのアメリカ人青年が、機長の「メーデー!メーデー!」という叫び声の聞こえる、パニック状態の機内で、ボケーッとしながらエアコンの送風口を、自分に向ける・・・・という場面で、映画が始まった。

この時は、まだホラー・アクションだと思っていたから、
(変わった始まり方だなぁ・・・)
と思っていた。

続きを読む
posted by インク at 02:02 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月16日

Mr.3000

BSでやっていたので、何となく眺めていたら、
(あ、これ面白い・・・)
そのまま、最後まで観てしまった。

 

 

 

続きを読む
posted by インク at 15:40 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月06日

バラン

昔、『大怪獣バラン』という映画を観た。

ネットでも、映画好きのブロガーがたくさん取り上げている。ぼくのような素人が、今更付け加えることはない。
だから、ぼくは個人的な思い出話を書く。

 

 

続きを読む
posted by インク at 10:08| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

『ハッカビーズ』

深夜のBSでやっていた。原題は『I Heart Huckabees』。
heartは、動詞形だと「ほれ込む」という意味。ハッカビーズは、スーパーマーケットの名前。
とても風変わりな映画だった。

あらすじをまとめたサイトがないので、ぼくなりに挑戦した。でも、ぼくにとってのまとめだから、他の人の印象とは違うかもしれない。
ネタバレしないよう、あらすじは途中までで止めている。

 

 

続きを読む
posted by インク at 02:13 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月16日

FOCUS(アーサー・ミラー)

この映画、あまり知られてないのか、フォーカスでググっても、日本の映画かロック・バンドばかりヒットする。
b-cineというサイトと、allcinemaというサイトで、わずかな情報を見ることができる。


 

 

続きを読む
posted by インク at 17:38 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月17日

レオン

ついでだから、『レオン』のことも書いておこう。

初めて『レオン』を見たのは、TVだったかもしれない。
丸くて真っ黒なサングラスが、巷で妙に流行り出し、
(また、どこぞの映画に出てきたんだな?)
と思っていたら、それが『レオン』という映画らしい、どうやら『ニキータ』の監督らしいと分かってきた。

『ニキータ』はあまり面白くなかった。それで、何となく観ないでいた。

続きを読む
posted by インク at 13:51 | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ダージリン急行

変な映画だった。クリックすると拡大

画面はきれいで、お洒落な感じもしたが、ぼくには主人公たちの「兄弟間の葛藤」とか、宣伝文句で言う「家族」とかが、よく見えてこなかった。
ただ、オマケの短編映画に・・・・


 

 

続きを読む
posted by インク at 10:52| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。