2011年06月06日

『もしドラ』の嘘

今回は叩く 前回、『もしドラ』を大いに褒め称えた。
その気持ちに変わりはない。ないが、それでも次のことだけは書いておかねばならない。

問題は、最終場面にある。
ぼくと、まったく同じ感想を持ったブロガーの記事があったので、そちらから一部省略しつつ、引用させてもらう。
乱読雑記』様より

甲子園出場を決めた野球部のキャプテンが、どんな野球がしたいのかとインタビューを受けている場面である。

すると正義は、しばらく考えた後、こう言った。 「あなたは、どんな野球をしてもらいたいですか?」 正義は、インタビュアーに向かってそう言った。 それで、「え?」と面食らったような顔になった彼女に対し、正義は続けて言った。「ぼくたちは、それを聞きたいのです。ぼくたちは、それをマーケティングしたいのです。なぜなら、ぼくたちは、みんながしてもらいたいと思うような野球がしたいからです。ぼくたちは顧客からスタートしたいのです。顧客が価値ありとし、必要とし、求めているものから野球をしたいのです」 そう言うと、みなみの方を振り返り、ニヤッと微笑んでみせたのだった。 (P266)

そもそも、これ高校生の答えかよというツッコミはあるけど無視して考えても、この答えはおかしい。正義くんのセリフに「必要」という言葉はあるけれども、全体として「顧客の要求するものを与えれば、それで良いのだ」という態度が感じられる。顧客優先は良いけれども、顧客が全てを知っていると考えてはいけないのだ。

* * *

同僚の言葉を思い出す「顧客の欲しがるものではなく、顧客の必要とするものを提供せよ。顧客は欲しいものが何かは判っているが、必要とするものが何か判っているとは限らない」。

* * *

どんな野球がしたいかと聞かれての最後のセリフ、野球部のキャプテンの正義くんには「野球部に、野球に関わったみんなが幸せになる野球がしたい」と言って欲しかったと私は思う。

全く同感だ。完全に同意する。

ぼくが、前回そのことに触れなかったのは、
「顧客の欲しがるものではなく、顧客の必要とするものを提供せよ。顧客は欲しいものが何かは判っているが、必要とするものが何か判っているとは限らない」
ということを、ドラッカーがどこかで語っているはずだと思い、それを探してから批判しようと考えていたからだ。

続きを読む
posted by インク at 00:20 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月01日

『金持ち父さん、貧乏父さん』

前回、ロバート・キヨサキの話が出たので、ちょっと書いておく。

今から11年前、タイトルとイラストに惹かれて彼の本を買ったが、ハッキリ言って嫌いになった。
イラストとタイトルは良いんだよ
ロバート・キヨサキは、学校の先生をやっている、自分のお父さんが大嫌いで、この著書の中でも口を極めて罵っている。
もっとも、実在の人物ではないのではないか?という説もある。こちら
だが、そんなことは関係ない。

たとえフィクションであろうとも、不特定多数の人間の前で、自分の父親をあそこまで侮辱するのは、公序良俗に反するのみか、非常に醜いとしか言えない。

だいたい、学校の先生で何がいけないのだ?
子供が好きで、人生に役立つ知識を伝えて行くことが好きだから、学校の先生になったのかもしれないのに、ただ安月給だ、老後が危なっかしいというだけで、あそこまで非難して良いもんだろうか?
いや、たとえそれがフィクションだとしても、自分の家族を容赦なく鞭打つことを、推奨するような本など、書くべきではない気がする。
ぼくは、彼の人格を疑う。

第二作『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント - 経済的自由があなたのものになる』を読むと、彼のロジックが見えてくる。

1.何かで荒稼ぎしたら、ただちに株を買え。
2.そこから先は、金が金を生む生活(ファースト・フローだったかな?)に入れる。
3.ここに入れば、後は遊んで暮らせる。老後も安心。


言ってることは単純だ。
一気に荒稼ぎしたら、仕事を早めにリタイアし、老後をマス釣りなんかして、遊んで暮らす。それが一番だと言う彼の考えは、職業の価値付け(右図)にも現れる。
確かに、老後は安心して暮らしたいが、でもどうなんだろね?株でしょ?彼は、リーマン・ショックを無事切り抜けたのかな?
彼を信じて、株を買っていたお年寄りたちは、どうなっているんだろう?

そう言えば、
「日本の金持ち父さん」
ホリエモンこと堀江貴文氏が、

続きを読む
posted by インク at 00:14 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月28日

なかなか良い『図解:思考は現実化する』

この本は、なかなか良い!お奨めだ。

長所を箇条書きにしよう。
1.解説が非常に分かりやすい。
2.「脳力」なる単語やSSIの宣伝文が、ほとんどない(あることはある)。
3.『7つの習慣』に較べ、内容が非常に実戦向きで、すぐ使用できる。
4.薄い!すぐ読める。

気になる人は、どこまでが原文で、どこまでが解釈なのかと不安になるかもしれない。
大丈夫。9割以上、原文に沿っている。

「脳力」という単語は、ぼくの気づいた範囲では、4カ所に出てくる(P20、P33、P39、P44・・・)。見つけると、ゴキブリがいた時みたいにイラッとくるが、どれも「能力」と置き換えれば済むだけのもの。

人間をパブロフの犬みたいに扱い、
「脳に成功するための暗示を刷り込めば良い」
みたいなことを言い出したら、それは田中孝顕氏が販売する教材の、宣伝に繋がるデータだが、それっぽい箇所は67頁と80頁〜82頁の二カ所しかない。

まず67頁だが、ここでは思考が現実化する理由を、心理学の仮説で説明しようと試みている。
潜在意識の活用は、ヒル自身が述べていることなので、決して創作や後から付加されたものではない。
「潜在意識」という名前で呼ぶしかないような、心の働きがあることは事実で、それをも利用しようというのが、ヒルがまとめた成功者たちの哲学なのだ。

ただし、解説の中にある「再決断」という概念は、もしかしたらエンカウンター・グループのものかもしれない。
だとすれば、それは心理学セミナーでも多用されるが、実証性も実用性も低いものといわざるを得ない。

確かに、人は人生の重大場面に遭遇すると、そこからの自分の行動や生き方を、選択し決定することがある。
マンガ『あしたのジョー 』でも、主人公の矢吹丈は、終生のライバル力石徹と出会ったり、青山君のこんにゃく戦法に苦しめられたりして、自分のそれまでの生き方を変え、目の前の敵に対処して行く。
もちろん、丈のそれまでの生き方も、彼自身が幼い頃に選択し、決定したものだったに違いない。しかも、丈自身はそのことを、きれいさっぱり忘れてしまっている。

力石のすごさ マンモス西に諭される 丈を苦しめる青山君



お話としては、筋が通る。だが、現実どうか?
現実には、この
「あると仮定された決断」
がなされる頻度は、どれくらいなのだろう?
さらに、「再決断」という、大袈裟な作業をしなければならないほど、それが劇的なものになるとしたら、理由は何なのか?それは、ふつうの決断とどう違うのだろう?

ちょっと、自分の人生を省みれば分かるが、そんな劇的な決断は少ない。それどころか(丈の例でもそうだが)、こうした選択や決断は、日常意外と頻繁に行っていたりする。しかもその大半の中身を、ぼくらは忘れてしまっている気がする。
それが事実であるとすれば、中身を忘れた決断を含め、決断の数は膨大になる。となれば、数が多すぎて「再決断」などとてもじゃないがやってられない。やることができたとしても、それは無数の決断の中の、ごくごく一部に止まるはずだ。

だからといって、その「再決断」をベルトコンベヤー式で、自動的に、マシナリーに、いっぺんにやっちゃえば、楽にできるし、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、うまくゆくだろうと考えるのは浅はかだ。
それこそ、オウム式に
「修行するぞ、修行するぞ、修行するぞ・・・・・」
みたいなメッセージを、脳に大量に流し込んでも、頭をぼんやりさせる以上の効果はない。

再決断して?暴走する象というか、もし効果があったとすれば、それは強迫神経症に罹ったことを意味するので、治療が必要になってしまう(笑)。
つまり、この頁に登場する象と同じ、「エレファント症候群」に罹ったということだ。逆にね。
まぁ、まずそうなる心配はないと思う。ということは、つまり効果がないってことだけど。

「暗示や催眠術だって、良い言葉なら良いじゃん?」
と思う人もいるかもしれないが、とんでもない。大間違いだ。
これらの暗示には、理性がないのだ。つまり、これらの言葉は機械的に反応してくるのだ。催眠術と同じで。
これが、どういうことか分かる?、
「成功するぞ、成功するぞ、成功するぞ・・・・」
という暗示をかけておいたら、それが自殺を成功させたり、痴漢を成功させたり、殺人を成功させたりすることも、あるってことだ。

パブロフの実験これを、「パブロフの犬」状態と言う。つまり条件反射だが、条件反射ってのはあくまでも反射であって、理性がないから、頭が悪いのだ。
コンビニを見るたび頭が痛くなったり、手帳を見るたびおしっこが漏れそうになったりしたら困るだろ?だから、馬鹿なこと(脳あるいは潜在意識への刷り込み)はしないに超したことはないのだ。

ちなみに、思考が実現する仕組みは、ヒルの本が出版される26年も前に、英国人ジェームズ・アレンが『原因と結果の法則』(1902)の中で、上手に説明してくれている。
鉄鋼王カーネギーが、ヒルにレポート作成を命じたのは、アレンの本が出た6年後のことだ。カーネギーは、アレンの本を読んでいたのだろうか?

80頁から82頁にかけては、「深層自己説得」なる言葉が登場するが、上述したように、ヒルは潜在意識の活用について、とても高い評価を与えており、そのことはヒルの原本にもちゃんと出てくる。だから、必ずしも嘘や宣伝ではないと思う。

ただし、潜在意識に関する概念はすべて仮説だ。
「意識されない意識」の存在は、かなり蓋然性の高いものだが、明確に確認されたわけではない。その正体が、反射的なものなのか、理性を持ったものなのかも、よく分かっていない。

さらに言うと、テレパシーの存在も未だ研究中であり、現時点ではあるともないとも言えない。ただ、不思議な現象だけは、事実として起きているようだ。
(参照:ライエル・ワトソン著未知の贈りもの
同じことが、祈りについても言える。

大切なことは、成功者たちが、
「成功するためには、それらが役立ったし、必要だった」
と信じていることなのだ。
それが、科学的であるか否か、ありそうかなさそうかについての議論は、ヒルの関知するところではないだろう。


続きを読む
posted by インク at 02:22 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月23日

ナポレオン・ヒルの訳文 その2

前回の続き。

騎虎(きこ)書房版のナポレオン・ヒルは、全部田中孝顕氏が訳している。
その際、田中孝顕氏は大量の訳注やコメントを加え、本を分厚くしてしまうのが特徴だ。
特に、ぼくの大嫌いな
脳力
という訳語は、本文、訳注、コメント、すべてで使用されている。それも、キラ星のごとくだ。

その大量の訳注、コメントについては、
「余計なことすんな!」
という意見と、
「日本人向けの事例や解釈であり、分かりやすくて良い」
という、正反対の意見がある。
amazonのレビューでは、後者の意見の方が圧倒的に多い。

また、訳語の「脳力」についてだが、出版社に尋ねたというサイトがあった。こちら

出版社に問い合わせたところ、脳力は「brain power」、あるいは「potential power」「potential consciousness」「subconscious power」、時には「ability」(能力)、 「capacity」(受容力)、「force」(力)なども「脳力」と訳しているようです。

「brain power」は、ふつうはあのプリプリしたタンパク質の脳と、そこにある神経を走る電圧のことではなく、「頭脳の力」とか「知力」と訳すだろう。
「potential power」「potential consciousness」も、ふつうは「潜在力」とか「潜在意識」と訳す。

ちなみに、潜在意識の意味は、
「表面化していないが、場合によっては意識化される考え」
のこと。

「subconscious power」は、subがunderという意味なので、「下意識」と訳す。
これも、「普段は意識されないが、思い出すことができる考え」という意味。

「force」は、「物理的な力」やそれに準じるもの。

せっかく、著者が使い分けているものを、自分の好み(?)で、一括した訳語にしてしまうのは、どうかと思う。
でも、もしかすると、次のような理由があるのかもしれない。

続きを読む
posted by インク at 01:09 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月22日

ナポレオン・ヒルの訳文 その1

前回、ナポレオン・ヒルの本を取り上げたとき、いったんは騎虎(きこ)書房から出ている、『思考は現実化する』を紹介した。だが、じつはとても厭な気分であった。
理由は、この本で多用されている
脳力
という、訳者田中孝顕氏の独特の訳語が、大嫌いだったからだ。

で、色々調べていたら、産能大出版の『成功哲学』が、原著にかなり近いとわかり、そちらの画像に差し替えた。
だが、この本はもう絶版になっていて、古書でしか手に入らない。おそらくナポレオン・ヒル財団が著作権・翻訳権を独占しており、田中氏はその財団の日本代表だから、自分たち以外の翻訳物は、認めないとしたのであろう。
著作権・翻訳権についてはこちら

クリックでamazonへ クリックでamazonへ



「脳力」という単語に、違和感を感じるのは、ぼくだけではない。amazonのレビューその他にも、同様の書き込みがけっこうあった。

続きを読む
posted by インク at 09:43 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月21日

心の法則

原因と結果の法則』という有名な本がある。
いわゆる「成功哲学」の、出発点になった本だと言って良いのかも知れない。

原題は、『As a Man Thinketh
Thinkethは、古い英語で、thinkの三人称・単数・現在形である、thinksのこと。だから、
As a Man Thinks
である。
考える存在としての人
とか、
人間あるいは思い
みたいな意味だろう。

だがこの本、翻訳のせいなのか、どうもわかりにくかった。
それが、図解入りでとても分かりやすくなった。これだ。


また、翻訳者の意見がほとんど入り込んでいない訳書としては、原文対訳のこの本がお奨めだ。

 対訳のメリットは、ほんの少し辞書を引き直すだけで、原文のニュアンスが掴めることだ。
原文のニュアンスによっては、まったく違った日本語が、必要とされることが起きる。受験勉強的な訳としては正しくても、感覚としてはかなり違う、ということがあるのだ。

原文だけで構わないという人は、こちらからダウンロード(PDF)できる。



 

続きを読む
posted by インク at 00:09 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月19日

自己創造の原則

大学時代、電車の待ち時間にぶらっと入った本屋で、ふと目についた本があった。
帯に、
「ある動機に基づいて行動すると、その動機は二倍に強まる」
とかなんとか書いてあったのだ。

タイトルも著者名も、忘れてしまったが、たぶんこの本だったんじゃないかしら。
自己創造の原則―あなたは何を恐れ、何から逃げようとしているのか (知的生きかた文庫)


で、これのタイトルを変えたのが、下の本だと思う。
     

人は、自分を創造しているのだ。それも日々、24時間、絶え間なく。
そのことを、この本は端的に教えてくれる。

続きを読む
posted by インク at 01:59 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月18日

人生の勝ち負け

『7つの習慣』では、動機の大切さが、しばしば強調される。

特に、
「人生は勝ち負けじゃない」
という指摘は、そこかしこに見受けられる。

面白いなぁと思うのは、TVドラマや映画なんかでも、
「『できる女(または男)』志願者」
は、
どんな小さなことでも、必ず勝とうとする
ことだ。

やがて、本物の「できる女(男)」になると、
勝つ必要があれば、いつでも勝てるが、どうでも良いことは勝ちを譲る
みたいになり、
「人間性重視の人格者の卵」
みたいな登場人物になると、
人生は、勝ち負けではないと悟る
ことになっている。

たいていは、
不毛な競争はもううんざり。疲れたよ
という理由がつくんだが、なかなかどうして、この勝ち負けへのこだわり癖は、そう簡単にはなくならない。

 

 

続きを読む
posted by インク at 11:46 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月16日

『7つの習慣』を、無理矢理要約してみる

『7つの習慣』を、無理矢理まとめてみた。

まず、構造としてはこうなっている。
1.夢を持つ(立志編)。
2.その夢を実現する(出世編)。

だが、本は決してその順番では書かれていない。そこに、『7つの習慣』のややこしさの原因があると思う。
具体的には、こんな原因があるのではないか?
1.心の自然な流れを、そのまま捉えるのではなく、「習慣」という視点で、まとめ直して捉えている。
2.以下のことがハッキリ書かれていない。
A.「習慣」とは、徳目が実現した姿である
B.徳目とは、「人生における望ましい行為」のことである
C.それは、原則とも呼ばれている
D.徳目(原則)は、個人の「心の習慣」や「生活習慣」になった時、初めて実現されたと言える

 

以下、まとめてみよう。

続きを読む
posted by インク at 16:20 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月10日

『7つの習慣』 リーダーvsマネージャー

「人生の目覚まし時計」が、突然鳴り出すことによって、人は最も大切な目的を取り戻す。

とたんに、人は正直になる。パワフルになる。弾ける。爆発する。真っ直ぐになる。
そして、自分に対して、あるいは組織に対して、真の意味でのリーダー・シップを発揮し出す・・・・という話をしてきた。

今回は、
1.それは2種類の創造行為である
2.すべてのものは二度創られる
3.正直さこそが成功の鍵になる
4.正直さと有能さは、喧嘩になることがある
・・・・という、『7つの習慣』の主張に沿った話をしたい。

『7つの習慣 クイックマスターシリーズ」の第二巻、『方向を見定める力』には、
「事業の成功は、(2種類の創造のうちの)第一の創造にかかっている」
と書いてある。

「第一の創造」とは、要するに人生の目覚まし時計によって呼び覚まされた、正直な夢のことだ。
人は、何か実現したいと思うと、
(最初に、この人に電話しておいて・・・渋谷のハンズで、この材料を集めるだろ。それから、こうやってああやって・・・・)
と、その夢や理想の実現を、まず頭の中で創造する。わくわく感を伴う、知的創造だ。
それが、「第一の創造」になる。

事業の成功が、この「第一の創造にかかっている」という理由は、この時点でのリアリティなしでは、どのような事業も成功し得ないからだ。たとえば、
1.行き当たりばったりでは、家は建たない。
2.オリンピックで選手が、金メダルを取ることもない。
3.政治だってできない。
特に3は、現民主党政権を見て、支持者が痛感したことだろう。
評論家の屋山太郎のみならず、あれほど民主党を支持し、JALの再建も引き受けた、京セラの稲盛会長までが、ここにきて、民主党への不信感を爆発させ、ついに決別宣言をした。


 

続きを読む
posted by インク at 12:53 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月06日

『7つの習慣』クイックマスターシリーズ

7つの習慣―成功には原則があった! 』が刊行されてから、どれくらい経つだろう?

ネットで調べてみたら、初版は1996年だそうだ。セミナー自体は、その4年前から行われていたと言う。こちら

ぼくも、96年にこの本が出ると、すぐに買った記憶がある。
当時は、フランクリン手帳も同時に発売されていて、これがなかなか面白かったのだ。

一言で言うと、
「良い習慣を身につければ、成功も容易くなる。この手帳は、良い習慣作りにとても役立つ」
というコンセプトだ。
事実、よくできた手帳だった。

それまでの成功哲学は、
「こう考えろ」
「こう発想しろ」
「心理学を応用して自分の殻を破り、自分を変えろ」
というものがほとんどだった。
中には、この記事で述べたような、詐欺まがいのものもあった(この団体は、その後NLPと名乗るようになった)。

それに対し、『7つの習慣』はベンジャミン・フランクリンの13の徳目にならい、
「良い習慣こそが、成功の秘訣だ」
「習慣にすべき徳目は7つ」
「良い習慣の実践が、成功の王道だ」
「手帳を利用して、実生活に良い習慣を、着実に取り入れよう」
と主張したのであった。

「良い習慣」は「人生の原則」だ。だから、「良い習慣」が成功の王道になり、それ以外のものはならない。ここまでは
「グッド!」
だ。
ところが、続きを読んで行くと、どうにもまだるっこしくなってくる。
何か、隔靴掻痒な感じがするのだ。

amazonのレビューにも、そのことを指摘したものがあったので、以下引用する。

一通り読み終わり、再読していましたが止めました。
学んだ事を思い返そうとしたのですが、何を主張して
いたか明確には思い出せなかったからです。
大切な事を言っている気はする。でもそれをいったい
どうやって身につけていけばいいの?って感じです。
例えば、どうやって「影響の輪」を広げるのか?
本当にこの本で成果をあげている人がいるか疑問です。

タメになる箇所もありました。
自分の全人生に責任を持ち、他のせいにしない。
否定的な言葉を使わない。自分の規律を作る等。
面白いエピソードもありました。
ウインドサーフィンの上から、カメラを持った息子に
「撮れ!撮れ!撮るな!撮れ!撮るな!」
と指示する「使い走りのデレゲーション(※)」という項です。

ベンジャミン・フランクリンの自伝が元に
なっているみたいなので、購読しましたら、
こちらの方が私にとって有益だと感じました。

※デレゲーション(delegation):所有している権限や責任を、誰かに譲ること。委任。
「使い走りのデレゲーション」とは、人を奴隷かパシリのように使うこと。これを行う人(上司、経営者)は、仕事が楽にはならないし、不首尾の責任も自分で負う羽目になる。しかも、有能な人材がまったく育たない。

その中、『7つの習慣 ティーンズ 』というのが出た。
内容が、もう少し具体的に、身近になってきて、『7つの習慣』よりは分かりやすくなった。
だが、それでもまだよく分からない、
「隔靴掻痒」
な感じが残った。

具体的に
「これが正解!はい解決!」
というのがなくて、
「こういう習慣を作っておけば、こんな時は便利ですよね」
って話になっちゃうのだ。

確かに、あまり具体的な指示をしてしまうと、「使い走りのデレゲーション」になってしまうのかもしれない。
でも、上記のレビューにもあるように、
「どうやったら、影響の輪が広がるの?」
「どうやったら、自己認識のある考え方や、行動ができるようになるんだ?」
という疑問が、どんどん増えてゆくのには閉口した。



 


 

続きを読む
posted by インク at 14:14 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

もしドラ

これは良い本だった!

 

何がどう良いか、という話をしたい。

クリックでamazonへドラッカーの本は、これまでに一冊だけ読んだことがある。たしか、右の本(『プロフェッショナルの条件』)だった。

だが、印象が薄い。マルクス主義に対する、ドラッカーの批判だけを、読もうとしたからだと思う。そういう読み方では、ドラッカーの真の価値は見えてこないに違いない。

むしろ、
(難解だなぁ)
という印象だけが、残ってしまった。
彼が著書の中で扱っている素材が、組織の中での自己実現という問題であったせいか、ぼくにとっては疎遠で、しかもやたら幅広い感じがしたのだ。
たとえて言えば、はさみ将棋しか知らない人間が、囲碁の本を、それも中級者以上向けの本を、読んでいる感じかもしれない。

そんなぼくにとって、この『もしドラ』は救いだった。とにかく具体的で、身近で、わかりやすいからだ。

一般的に言って、良書というか、
「正しい本」
の条件には、次のようなものがある、とぼくは思っている。


 

続きを読む
posted by インク at 19:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月23日

学者のウソ その1

以前から、買おう買おうと思っていたが、すっかり忘れていた。
それが、古本屋さんに並んでいたので、
(ラッキー!)
買ってきた。



で、早速読んでみたのだが・・・・・。

 

続きを読む
posted by インク at 23:06 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月30日

『悪魔の飽食』その後

(そういえば・・・・)
と、思い出した本があった。

コカイン中毒者の会社が出版してる森村誠一の『悪魔の飽食』だ。
この本が話題になった頃、ぼくは会社で働き始めたばかりで、忙しくしていた。だから、この本の噂だけを耳にする状態だった。

たしか、「悪魔の731部隊」とか「石井部隊」というのが、戦時中に中国で、恐るべき人体実験を行っていたというので、大騒ぎになったはずだ。
「マルタ」
という言葉も、かなり流行した記憶がある。

ところが、一年もしないうちに、その731部隊関係者から、そんな事実は皆無だと抗議の声が上がったとか、物証がまるでないと言う話が、聞こえてくるようになり、いつのまにか話題そのものが消えてしまった。

ぼくも、いつのまにか忘れていたのだが、十年くらい前にTBSがニュースで
「悪魔の731部隊があった建物が、目黒で見つかった」
とか報道したので、
(おやまぁ、731部隊ってやっぱりあったのかな)
と、興味が湧いた。
だが、よくよくニュースを聞いていると
「ここから、人体標本が見つかるはずだと言われていますが、今のところ何も見つかっておりません」
と、レポーターが言うので、呆れた記憶がある。
この話も、いつかどうか消えてしまった。

そこで、ネットで調べてみた。

続きを読む
posted by インク at 00:03 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月07日

アンネの日記、聖なる蟷螂の斧

アンネ・フランク.『アンネの日記』をご存知だろうか?

ぼくも、小学校の頃に読んで、大泣きした記憶がある。
彼女は、てっきりアウシュビッツで亡くなったのだと思っていたが、実は違っていたようだ。

彼女は母親から引き離されて、姉とともにベルゲン・ベルゼン収容所に移送され、そこで発疹チフスに感染し、まず姉が亡くなり、その後アンネも亡くなったとされている。こちら
ちょっと驚いた。

さらに驚いたことに、『アンネの日記』には3種類の異なる日記がある(こちら)。
キティと名付けられた手帳や、雑紙に記された原本と、アンネの父オットーが、親族や友人に配るために作った清書版、さらに実際に配った私家版だ。
私家版にはオットーの手が加わり、公表するに相応しくない部分(母親への悪口など)や、分かりにくい部分が編集されていると言う。

ところが、さらにさらに驚いたことに、アンネは『アンネの日記』を書いてはいないという説まである。 これには唖然とした。


 

続きを読む
posted by インク at 08:33 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月02日

お金がなければ刷りなさい

この本を書いたのは、経済学者ではなく、東大の理学博士だ。
そしてこの本は、アメリカやドイツまでもが、デフレに染まり始めた今だからこそ、読む価値があると思う。
世界が、今のようになることを、この本は予言していた。そして、着実に浸透してきた。
何しろ、このぼくが読むくらいだ。

ライブドアニュースに、この本の書評が載っている。こちら

これを読んで驚かされるのは、次の部分だ。



 

続きを読む
posted by インク at 17:54 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

経済って何?

経済ってそういうことだったのか会議昔、『経済ってそういうことだったのか会議』という本を読んだことがあった。

佐藤雅彦氏のタイトル文字に惹かれて、つい買ってしまったものだ。
この人の絵やデザインには、いつもやられてしまう。見るとすぐ欲しくなり、つい買ってしまうのだ。

ポリンキー

解説は、今や懐かしい竹中平蔵氏。
サブプライム危機の最中、
「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」
と言ったことが、未だに物議をかもしているのは、ご存知の通り。

さて、細かい内容は忘れてしまったが、牛乳瓶の蓋が通貨になってしまったという、佐藤雅彦氏の小学校時代の思い出だけは、鮮明に記憶に残っている。

なぜかと言うと・・・

続きを読む
posted by インク at 00:23 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月02日

「開運!なんでも鑑定団」の十五年

中島誠之助さんの本、『「開運!なんでも鑑定団」の十五年』を読んだ。

意外なエピソードがいっぱいで、それはそれで面白かったが、ぼくにとって面白かったのは、中島氏の芸術作品の見方。

続きを読む
posted by インク at 21:03 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月14日

鏡花の奇癖

泉鏡花の挿絵で知られる小村雪岱(こむら・せったい)の、『泉鏡花先生のこと』という短文を、青空文庫で読んだ。

泉鏡花をご存知ない人は、こちらをどうぞ。

 

 

続きを読む
posted by インク at 10:31 | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。